この小文では可換スキーム、とくに曲面の非可換方向への変形の話題を
中心にして、非可換代数幾何学のいくつかの話題について
概観する。
まず非可換空間および非可換スキームの定義をRosenberg [
7]に従って
述べる。(
2,
3節。)
次に可換スキームの非可換スキームとしての無限小変形を
コホモロジーの言葉を用いて表現し、
それが三種類に分かれることを示す。(
5節)
そのうちのひとつは良く知られた
可換スキームとしての変形であり(
6節)、
一つは交換関係の変更により得られる変形である
(
7節)。
最後の一つはブラウアー群に関係した変形である(
9節)。