計算機数学 No.6

第6回目の主題 : \fbox{TeXによる数式の入力(4),maxima}

◎ 数式のスタイルには2種類ある。

  1. $ でくくる: 地の文で数式を書くときに使用する。
    \begin{itembox}[l]{例}
{\Small TeX入力:}
\par
\verb\vert任意の $\epsilon>0...
...$\epsilon>0$ に対して、 $\int_{\epsilon+1}^{\infty}f dx=$...
\end{itembox}
  2. $$ でくくる(display math.): 改行のあと、式が中央に バーンと置かれて、また改行が入る。 $$...$$ のかわりに \[...\] でくくってもよい。(というか、 この頃の latex 界隈ではそちらのほうがオススメらしい。) 上の例で積分のところのみ display math. で書いてみると:

    $\displaystyle \int_{\epsilon+1}^{\infty}f dx=
$

◎ 複数行に渡る数式の書き方

  1. amsmath パッケージが必要。

    \documentclass{ほげほげ}

    の次の行に

    \usepackage{amsmath}

    と書こう。 (documentclass として amsart を用いている場合自動的に読み込まれるので不要。)

  2. \begin{align}
    aaa & bbb \\
    This & yyy \\
    zzz & www
    \end{align}
    
    のように書けばよい。改行は \\. 揃うところは &で指定する。 行頭で揃えたければ行頭で & だ。次のような出力になる。

    $\displaystyle aaa$ $\displaystyle bbb$ (6.1)
    $\displaystyle This$ $\displaystyle yyy$ (6.2)
    $\displaystyle zzz$ $\displaystyle www$ (6.3)

  3. 行番号が邪魔な場合には \begin{align*} ...\end{align*} *をつけたものを用いる。

◎ 行列の入力(TeX側)

  1. \begin{matrix}\end{matrix}で囲む。
  2. 成分を &で区切る。
  3. 改行は \\.
  4. 詳しくは教科書をみよう。

◎ maxima における行列の入力。

  1. wxmaxima のメニューの 「代数(A)」 → 「手入力による行列生成(E)」 から入力できる。
  2. 直接 matrix([a,b,c],[p,q,r]) etc と入力しても ok.

◎ 前回、前々回と同様の要領で、線形代数学の問題を作成せよ。 さらにその答を maxima で求めよ、 問題文及び解答はTeX で作成(ks06.tex)すること。 maxima の入出力は verbatim を用いて貼りこむのが望ましい。 (maxima の出す答に疑問がある場合はとくに。)

  1. 行列 $ A,B$ (各自で指定)の積を求める問題。 (注意: maxima では AB の積は A.B (A*B は 全然別の値を与える。)
  2. $ 3\times 3$-行列 $ A$ (各自で指定)の逆行列を求める問題。 (maxima で A の逆行列は invert(A) で求められる。)
  3. $ 2$ 次または $ 3$ 次の行列の $ 10$ 乗を求める問題。 (maxima で行列 A$ 10$ 乗 は A^^10 で求められる。 ^ が2つであることに注意)

  4. $ (a+2 b+3 c)^2$ (あるいは適当に変えて答が二行以上に渡る答えになる式)を 展開せよ。(答えは align を用いて 整形すること。-この問題は途中に maxima を使わずにやっても良い。

  • タイトルは「計算機数学レポート No.6」.
  • メール本文には必ず学籍番号を記入すること。 (アドレスが学籍番号の場合は書かなくても良い。)
  • ks06.pdf を添付すること。pdf にも名前 or 学籍番号が入るようにすること。
  • 解決できない問題がある場合には、その旨メール本文に記入してください。 その場合は .tex ファイルも添付してあると助かります。

(☆)TeX エラーが出た場合の対処

  1. 教科書 25ページ以降を参照のこと。
  2. % をうまく使おう。 パーセント記号 % で始まる行は TeXでは無視される。 (文の途中に % を書いた場合にはそれ以降文末までがTeX に無視される。) TeX で間違えた部分を消したくなった時にはまず深呼吸して落ち着き、 いらなそうな部分を%でコメントアウトしてからコンパイルしてみよう。 いらないところを本当に消すのは全部がうまく行ってからで十分である。

◎ maxima での文字の出力が小さくて見にくい場合、 編集 → 設定 → スタイル → 出力用フォントのらんの右隣りの選択ボタンをクリックし、 MS 明朝 (MS P 明朝と間違わないこと)の 12 ぐらいにしてみよう。

◎ なお、 maxima の tex() で出力されたものを latex でコンパイルするとエラーが出る 場合がある。その場合には:

  1. はじめに load("mactex-utilities.lisp"); と maxima に 打っておけばよい。そのあとは maxima から tex()で望みのものが出力される。

  2. もしくはファイル→エクスポート→でエクスポート窓を出し、xxx.tex にセーブする。xxxの部分は何でも良いが、拡張子を .tex にしておくこ>とは大事である。xxx.tex をメモ帳等で開くと、tex のソースコードが 載っている。コピペしても良いし、xxx.tex 自体をtexworks でコンパイルしても良い。

    この(2)の方法は maxima の出力のコピペが難しい場合にも使える。